相続対策?分割でもめる?

相続対策?分割でもめる?

 

相続対策は財産が多い人が考える事だ、

          という様な事が言われます。

「うちには、そんな財産なんか無いから…」
「我が家に、分けるのに揉めるほどの財産なんて無いけど…」

しかし、財産の多い少ないは、殆ど関係ありません。

FP(ファイナンシャルプランナー)として言えば、年々相続問題(分割)での訴訟件数は増加していますし、その事案の金額は意外にも少ないものです。
数百万円程度も有れば、揉めているケースも多いようです。

1億円の財産でも、10万円の財産でも、揉める時は揉めるのです。

なぜかと言えば、金額もモチロンありますが、多い少ないや比べてどうか?といった人間の感情が原因だからです。

因みに経験上ですが、「このご家庭は、遺言なんかの対策をしておいた方が良いよなぁ~」と思って、一応話してみても「うちは、そんな財産なんか無いから関係ないです。」とか、「うちは、みんな仲が良いからそんな事は必要ない。」とよく言われます。

でも…、後々になって揉めてい困っている事が意外に有るんですよね。

なぜだと思います?

今から揉めている・揉める事が分かっている方が、実は分かっているだけましなのです。
何も問題無いと思っていて、問題が発生する方が大変な事が多いのです。

 

それは…、
既に揉めている・揉める事が分かっている場合は、何らかの対策を取ったり、事前に分かっている為に心の準備が(ある意味)出来ていたりします。
また、揉めるかもしれない・揉めた時の為に念の為…、といった場合は何がしかの準備や対策をしていたりします。
しかし、問題無いと思っている場合は…、問題です。

何の対策・準備もしていないからです。

因みにですが相続で揉める場合、ほとんどが分割に対する揉め事です。

そして意外にも、相続人である兄弟など直接の関係者が原因で揉める場合もモチロンあるのですが、よくよく事情をひも解くと兄弟本人よりも、その周りの人が原因という事も多く有ります。
しかも、別段悪気が無い場合も結構多いので、解決しづらかったりする事も有るのです。

どういう事かといえば、

関係者・関係図

この様な家系図をご覧になって、相続を考える・相続が発生した場合、関係する・関わってくるのは、誰だと思いますか?

通常で言えば、下記の様に本人夫婦と直接の子供達です。

関係者・直接の関係者

多くの方が、ほとんど上記の様な関係者を考えます。

父・母・長男・次男。

もちろん、それで正解です。

しかし、直接は言わない・口を出さない場合でも、関係する場合が出てきます。
(もちろん、そう言う場合も有るかも…、と言う事ですよ。)
下記を、ご覧ください。

関係者・周辺の関係者

この場合の事例は、次男の嫁の親を示していますが、当然それ以外も考えられます。

関係者の『関係者』です。

もちろん、直接の相続人の方がより多くの財産が欲しいと思っている、と言う事も有るでしょうが、上記の様な場合で、そう言った意図ではなく、ただ単に
「 うちの孫にも平等に、財産が行くようにしてやってほしいなぁ…」
「法律で4分の1は、もらえるそうだけど…」
なんて考えていた事が、チラッと直接の関係者の耳に入ったとするとどうでしょう?

(例えば次男の耳に。)

次男の嫁の親には、まったく悪気は有りません。
できたらそうしてあげて欲しいなぁ~、というレベルです。
(次男の嫁の親にとっても孫です。孫は特に可愛いものです。)
また、「法律上はそうだけど、まあ納得いくようにしなさいよ…」、というレベルでのアドバイス的な言葉の場合も有るでしょう。

関係者の耳に入る

しかし言われた方は、面と向かって強く言われなくても、何かの拍子にチラッと言われた程度でも、気になる場合が有ります。

例えば、次男の立場も有るでしょう。

次男としては、

法律上の権利は有るけど…。

兄の子とおれの子にすごい違いが…。

嫁や、嫁のご両親に申し訳ない無いなあ…。

と言った様な事を考えだしたとしても、不思議ではありません。

ましてや、たくさん欲しいといった欲張りな考えではなく、単に自分の子供がかわいいから多少でも…や、恥ずかしくない程度(立場をなくさない程度)にはして欲しい…、という様な場合も多いでしょう。

この事例の様に、次男と次男の関係者の場合も有れば、長男の関係者や親せきなどが関係する場合も有るでしょうし、血縁関係等が無くても例えば長男の嫁のママ友とか、うわさ話とか様々なケースが考えられます。

 

しかし大事なポイントは、金額がいくらか?のみでは無いという事です。

比べてどうか?という場合が多いのです。

こうなってくると、感情です。

人間、感情が先行してくると、考えれば考えるほど大きく膨らんで来る事も多いものです。

最初は些細な事でも…。

それ程強く思っていなかったとしても…。

 

 

困・次から次へとだったら…、平等に・均等に分けたら?といけば良いのですが、こうなったらこうなったで、「私の方が親の面倒を見ていたのに…」とか、「兄は以前に車を買ってもらっていたのに…」とか、また出て来るもんなんですね。
これがまた…。

 

当然、この様にならない事も有るでしょう。
しかし、ちょっとしたきっかけからなる事も、多いようです。

その為、『相続対策』というものは、相続発生に対する『対策』であると同時に、念の為の『準備』である、という意識も必要だと思います。

なぜこの様な事を書いたかと言えば、相続対策、特に分割というものは、100%の事前の解決は出来ません。
(出来る!と言い切る専門家もいるかもしれませんが…。)

なぜなら、上記の様に人間の感情が絡むからです。
人間の感情や考えは、今は無くてもその時になると出て来たり、時間が経ったり状況が変わったりすると変わる事が有るからです。
(だから、みなさん悩むのですが…。)

 

ですので、100%の対策は無い!という所から考えないと、どうすれば良いか考えがまとまらない事も有るのです。

しかし、100%では有りませんが、より高い確率の対策を講じる事が出来る人がいます。

 

それは、ご本人です。(相続発生前の財産を持っている人。)
ご本人しか出来ない事が、ご本人だから出来る事が、有るのです。

だって、関係者の人達が何でも好きに出来るなら円満解決で、もめませんよね?

専門的な話になってしまうので細かい事は書きませんが、相続対策で悩んでいる方に抜けている考えが、ご本人しか出来ない事・ご本人だから出来る事が有ると、いう事なんです。

だから、事前の対策・準備が必要なのだと思います。
だから、やっておいてあげた方が良いのだと思います。

関係者では、出来ない事が有るのですから。

それとプラスして、もし本当に相続発生時に分割等について円満解決するならば、例えば遺言書の作成などは無かった事に出来る可能性も有りますので、円満解決しなかった時の事を考えるべきです。
(もちろん、無かった事に出来ない事も有りますので、念の為。)

円満解決できなかった時の為に、親として一つの解決策を残しておくかどうかです。
この様な考え方も、1つではないでしょうか?


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