その土地に出来る事?

その土地に出来る事

客観的に可能な事・不可能な事、

   可能性の高い事・低い事、検討していますか?

 

その土地は何ができるか、考えていますか?。客観的に考える必要が有ります。

もし土地を持っていたら、取れる選択肢は・・・

  1. そのまま
  2. 売る
  3. 貸す
  4. 自分で使う
  5. 誰かにあげる

の、どれかです。

色々なご相談にのって来て、ご所有者の方々の「その土地は何が出来るか?」と言う視点が抜けておられる方がいるのには、びっくりします。
(もちろん建物も同様)

もちろん、ご所有者の所有物ですから好きにされて良いのですが、中にはどう考えても無理だろう?と言わざるを得ないような事を考えられる方も、正直いました。

「そのまま」・「自分で使う」・「誰かにあげる」は別として、売る場合や貸す場合には相手の問題が大きくなります。

その問題とは、売ると言っても買ってくれる人がいないとダメだと言う事、ましてや希望の値段で。
貸す場合も、借りてくれる人がいて初めて成り立つ話です。もちろん損しない家賃・地代で、と言う事です。

そんな事は皆さん知っておられます。
しかしいざ、売る・貸すを考え出すと、「この土地は売るなら、〇〇〇万円するはず」や「うちの土地なら、こんなに便利だから借りてくれるはず」と考えがちです。
知ってはいても、冷静に客観的に判断出来ている人は、少ない様に思います。

売り手の思い・買い手の思い。貸し手の思い・借り手の思い。

気持ちはわかります。
「虎の子の土地」であったり、「うちの子はかわいい」と言う事でしょう。
更には、損したくないという気持ちも、どこかに有るハズです。
もちろん本当に、良い不動産をお持ちの方もたくさんいます。

時間やお金に余裕の有る方・余裕の状況の方は、ご自分の考えに沿った結果や方法を追求しても良いでしょう。
しかし、その不動産について何らかの対応をしないといけない状況の場合、希望に沿わない場合も出てきます。
そして、希望に沿わない為に、どうしよう?と悩んでいます。

 

「〇〇のように出来ないか?」との事で相談内容を聞くと、その土地向きではない方法を考えていたり、バブルの頃の値段が頭から離れないのか、かなり高い値段での売却を考えていたりするケースが、とても多いのです。

最初の図に有ったと思いますが、

  • 売却の場合、買う人は「買ってどうするのか?」
  • 貸す場合、借りた人は「借りて何をするのか?」
  • 何かを建てて貸す場合、借りる人は「何の為に借りるのか?」

を、客観的に考えてみる事が大切です。
売る人・貸す人にも事情や理由が有りますが、買う人・借りる人にも事情や理由が有るのです。

売却の場合、住宅地であれば通常は家を建てます。
特殊事情(そこでないとダメという理由)が有れば別ですが、そうでなければ価格は大抵は周辺相場です。
(わざわざ、まわりより高い物を買う人はいません。)

貸す場合、資材置き場か駐車場か、はたまた借りた方が何かを建てるのか解りませんが、どうゆう理由で借りるのか?を考えると、必然的に地代は決まってきます。
例えば資材置き場を探している方からすると、場所や搬出入に問題が無ければ、安いに越したことは有りません。

店舗を建てたい方なら、集客力が有る土地であればそれなりの地代を出すでしょうが、集客力のない土地の場合は、安くないと割に合いませんし、元々借りません。

何かを建てて貸す場合、不便な場所に単身向けのマンション等を建てても、入居者は集まりづらいのは勿論ですし、店舗用の建物を建てる場合でも、テナントさんの商売が成り立つ物件でないと借りてくれません。

不便な場所に立つ人気のないマンションの家賃は、当然安くなります。
どんどん人の集まるような立地の店舗なら、高い家賃でも借りたいと言う希望が出て来るハズです。
普通に考えれば、わかりやすい事です。

しかしいざ、自分の不動産の事となると良い様に考えがちになってしまう様です。

その為に何が起きているかと言うと、
「この土地は売るなら、〇〇〇万円するはず」や「うちの土地なら、こんなに便利だから借りてくれるはず」が、発展して「自分の考えは〇〇だから、△△したい」
になっている方がいるのです。

そう出来るなら問題なしです。
しかし、出来ないから困っている、と言う方が多いのです。

△△したい、の前に

・自分の土地は売れるのか?売ればいくらか?
・土地だけで貸せるか?貸せばいくらか?
・何かを建てれば借り手は付くのかどうか?いくらで借りてくれるか?

を、調べたり確認したりした上で△△したいと決めている方は、意外に少ないのです。

可能な選択肢は何か? ⇒ だったらこうしよう!
の順番ではない為、考えと違うという事も多くなる訳です。
そして当然、考えと違うから解決しない、と悩んでしまう訳です。

まずは何をしよう?ではなく、現実的に何が出来るか?を検討してみて、その次にその中で何をしようの順番で、考える事が大切です。
何が出来るか?の視点を、まずは持ちましょう。

なぜこの様な事をわざわざ書いたかと言えば、“こうしたい”というその選択肢が、物理的に無理な方も中にはいらっしゃいます。
また、収支的に無理(やめた方が良い)という方などもいます。

今までに受けてきた相談の中にも、「何とか、自分の考え通りにして欲しい!」と、いう方もいらっしゃいましたので、色々調べてみるのですが、「ちょっとその方法は…、無理です。」という場合や、「それはやめておいた方が良いと思いますよ?」と、いう事も当然有りました。

その際、理解して頂ける方や、ちゃんと受け止めてくれる方もいるのですが、そんなハズはない・なんとか出来るハズと、思いを曲げない方も沢山おられるのです。
もちろん私の知識や経験・才能なんて、たかが知れていますので私の間違いと言う事も有るでしょう。
しかし、どう考えても不可能と思わざるを得ない様な事でも、納得されない方もおられます。

(別にそれでも、私は良いのですが…。)

なぜなんでしょう?

私の相談を受けてきた経験上の所感ですが、“世の中には、そうして成功した人がいる”という事が有るからだと思います。

その様に思う原因のいくつかは、
「うちのマンションは、デザイナーズタイプにリフォームして、満室になった」とか、
「うちのテナントは、OA対策とセキュリティーを入れて、すぐに入居者が決まった」とか、
「うちの土地は、インフラを改善してすぐ借り手が付いた」なんていう事を聞いたり、その様な話しが本やインターネットで、たくさん出ている事にも有るように思います。

その為か、思い通り出来ずに悩んでいる方の多くに、何かに後ろ髪を引かれている様な感じ、をよく受けるのです。
本当は何とかなるんじゃないか…って。
イヤ、出来るハズ…って。

私も記事などを見たり・話しを聞いたり・実際に見てみたりすると、上手くされたなぁ~、と感心する事もあります。
実際、その様に出来る物件も有ると思いますし、実際に有りました。
しかし、同じようには出来ない物件も沢山有るのです。

なぜなら、それらの成功事例とは決定的に違う事が有るからです。
その違う事というのは物件によって様々ですが、例えば立地や建物などの物理的条件、経済背景の変化、法規制など、どうにもならない事が有るからです。
それらは、変えようが有りません。

物理的に不可能な活用方法・収支的にやめた方が良い活用方法

しかし…、納得できない方もいるのです。

もちろん何とかなるかもしれない場合は、諦める必要は無いと思いますが、何ともやりようがない事をずっと何とかしよう・出来るハズとがんばっておられる方も…、いらっしゃるのです。
(ずっと頑張って頂いても、構いませんが…。)

しかし、何かの必要性が有って、何らかをしないといけない場合、そのままで良いのでしょうか?
不動産に付いて何らかを考える場合、たいてい理由が有ります。

お金が必要で有ったり、収入を増やしたかったり、節税したかったり、負担を減らしたかったり等でしょう。

なんとかならないかと頑張っている時間や余裕が有る場合は頑張ってもらうとしても、そうではない場合は、決断や選択を迫られる事でしょう。
その場合は今一度、なぜ売ろうと思っているのか?貸そうと思っているのか?の理由をしっかり考える事が大切です。
その理由の為にする事のハズで、その“手法”の為にする事では無いハズです。

不動産での成功というのは先ずは、活用の場合は活用出来ている事ではないでしょうか? 売却の場合は売れた事ではないでしょうか?
もちろん、たくさん収益を上げる方が良いに決まっています。
高く売れた方が良いに決まっています。
しかし、活用できずにそのまんま、売れずにそのまんま、というのが一番よくない事だと思うのです。
まして、不動産は持っているだけで、コストが掛かります。
すべのケースでそうだとはモチロン言いませんが、結構あるんです。
計算してみたら、あの時そうしていても結果は同じだった、その時より返って良くなかったって事が。

売れずに時間が経つ、借り手が付かず空いたまま、の場合には換金できていない・収入が無いだけでなく、支出が続いている事を、忘れてはなりません。

まあ最後は、気持ちと損得勘定を天秤に掛けて、どちらが強いか?なんですけどね。


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