どう相談? 何を聞く?

どう相談?何を聞く?

 

どう相談したら良いのだろう?

何を聞けば良いのだろう?

 

相談を受けている時に、『相談』する事を相談される事が有ります。

場合によっては、本人も意識していないうちに…。

「☓☓の事は~~~なので、〇〇〇の様にされたら良いと思いますよ。」

『そうですね、そうします。〇〇〇にします。

……ところで、実は違う土地で、その土地のお隣さんと揉めてまして、どうして良いか分からないんですよね…』

―事情を聴く―

相談するのが気が引ける…「そういう事であれば、弁護士さんに相談された方が良いですね。弁護士さんに△△△の件と言ってもらえれば良いですよ。よくある話なので、弁護士さんもすぐに分かってくれると思いますし、わりと簡単に解決すると思いますよ。」

『そうですか…。でも、どう相談したら良いか分からないんですよね…。』

「知り合いの弁護士さんとかいらっしゃるんですよね?難しく考えなくても大丈夫ですよ。言ってはなんですが、弁護士さんの資格を持っている人には、単純な事案ですから。」

『そうなんですか…。知り合いの弁護士さんはいますが…。
……、……。』

「そう心配しなくても大丈夫ですよ。△△△の件で◇◇◇という様に揉めてるんです、~~~っていう様に解決したいんですが、とそのまま言って頂ければ大丈夫ですよ!。」

『そっ…そうですか…、そうですね、そっ、そうします…………。』

「……いっ…一緒に行きましょうか?」

『…えっ、いいですか? ホントですかぁ~?』

気を使って、一緒に行きましょうか?と何度も言った事が有ります。
この様な方、意外と多いんです。
この様な方たちの心の中は、不安で一杯だったのでしょう。
そして同席した後、「いやー、言いたい事、全部言ってくれたから助かったわ。」とか、「☓☓さん(筆者)が一緒にいてくれたら、代わりに聞きたい事、聞いてくれるから助かります。」という様な事を、よく言われました。

専門家との意思疎通・通訳がわり

正直な所、私は何も難しい事や、専門用語が飛び交うような話はしていません。
要は、言い出せない、切り出せないだけなんですね。
それはそうかもしれません。
普段、弁護士さんと付き合いが無い人にとっては、イザ面と向かうと、当たり前の事・普通の事でも言い出しにくいものです。
「先生、それは…どういう意味ですか?」とか
「先生、わたし…こう思ってるんですが?」とか
「先生、そうではなく…こうしたいのですが?」なんて。

こんな事を言っている私も、普段行かないようなお店などに行った時は、ごく簡単な事でもなかなか言い出せません。

そうなんです。

どう相談したら良いか分からないというのは、(自分の)相談したい内容が分からないといった事や、どういう相談の仕方をしたら良いか分からないと言うよりも、上手く言えない・表現できないという事が多いんですね。

同時に、何かを相談相手に話した時に、逆に何かを言われたり聞かれたりしたら、それに上手く答えられない…と思ってしまう事も多い様ですね。
同席した方を見ていると、
専門家の言う事だからそれしか無いんだ…とか、
(自分の考えとズレている事を言われても)自分の方が間違っているかもしれない…
と、思ってしまう様です。

その為に、「違うんです。私はこうしたいんです。」とか、「もっと、こういう風に出来ないものでしょうか?」とか、「そうではなくて、こう思ってるんです。」とか、言えないのです。

先日弁護士さんへの相談の為に同席した方などは、その相談した弁護士さんというのが、ご自分のお子さんの同級生のお父さんで10年以上のお付き合いが有り、家族づき合いもしているという方でした。

ですので、私がその同席した中では、一番面識が有りません。

(私と弁護士さんは初めてお会いします。)
しかし…です。

なかなか話しが始まらない・進まないので、私のほうから概略を弁護士さんに説明しました。
そして、有る程度話の全体像が弁護士さんと相談者の間で共有されてからは、話しやすくなったようでした。
一通り相談を終えた後、その弁護士さんからは、
「分かりました。何とかしましょう!ところで〇〇さん、なんでもっと早く相談しないんですか?
こんなに長い付き合いなのに!  年に何度も会ってるんだし。
今までに、いつでも言えたでしょうに…。」

これが、普通なんですね。

 

これと同じように、何を聞けば良いのだろう?というのも、実は同じような事で有る場合が多いのです。

(誰かに聞きたいのだが)何を聞けば良いのだろう?、(誰かに相談したいんだけど)何を聞けば良いのだろう?という場合、よくよく考えてみると、ぼんやりでは有りますが、聞きたい事はすでに有るのです。
そうですよね?誰にも何も聞く必要が無い・聞きたくないならば、こんな風に悩んでいませんから。

自分では、ぼんやりと悩みが分かっているんです。
自分では、おおざっぱに悩みを掴んでいるんです。

 

「悩み」をぼんやりとは分かっている

でもイザそれを人に聞こうとした時、自分自身がその悩みをぼんやりとしか分かっていない為、ちゃんと説明できないのです。
当然ちゃんと聞けないのです。質問できないのです。
なので、何を聞いたら良いのだろう?となってしまう人が多いのです。

更にこのように悩んでいる方と言うのは、誰かに相談したり・聞いたりした時、逆に「どういう事ですか?」とか、「どの部分を聞きたいのですか?」とか、「何が分からないのですか?」と、聞かれても自分自身がはっきり分かっていなのですから、逆に聞かれたその事に、答えられない事・説明できない事だけは、しっかりと分かっているんです。

だから、なおさら聞けないし、何を聞いたら良いのか分からない?となってしまうのです。

では、これらの場合どうすれば良いでしょうか?

ご自身で解決を図る場合、古典的と思われるかもしれませんが、事前に紙に書いてみる事をお勧めします。
(私の経験上、紙に書いて相談してこられる方は、かなり少数派です。)

まずは誰かに見せる訳でも有りませんので、綺麗に書く必要も有りません。
思うがまま、気になる事全部を書いて大丈夫です。チラシの裏でもなんでも結構です。

紙にまとめるどう相談したら良いか分からない場合だと、まずは自分でいろいろ書いてみて下さい。
聞きたい事・言いたい事・したい事・やってほしい事・思っている事・疑問などを書き出して下さい。

その上で、先程の事例(……ところで、実は違う土地で、その土地のお隣さんと揉めてまして、どうして良いか分からないんですよね…)で言えば、
「土地の件、隣地と揉めてる」、
「隣がうちの土地にかってに物を置く」、
「させないようにしたい」
といった程度で良いので、羅列でも良いので箇条書きにして相談相手に伝えたい事を書き直して下さい。

綺麗な説明文章になっていなくて、大丈夫です。
(説明文で長くなると、読む方も大変ですし…。)

そして、それを相談者に渡してください。遠慮なく。

それで大丈夫?又は、そんな事?と思われる方もいると思いますが、意外に効果が高く、安心な方法だと思います。
なぜかと言えば、一度なんでも良いから思い付く事は書き出して、その上で箇条書きをしているので、(あまり上手くまとまっていなくても)本人は分かりませんが相談を受ける側からすると、口頭でそれらの事を聞くより(聞くだけより)、はるかに分かりやすいのです。

本人は何日も何年も前から(悩んでいる間中ずっと)頭の中に有る事なので意識しませんが、聞く側は初めて聞くので、一度に頭の中でだけで理解するのは、結構難しいものです。

それが証拠に、何の相談でも良いですが、何かを誰かに相談した時、相手の人がメモを取っていませんでしたか?そのメモは、あなたの言った事を一言一句変わらず書いていましたか?おそらく箇条書きでしたでしょう?

モチロン伝えたい事を、もれなく伝える事が出来るというメリットもあります。
つまり、紙に書いて渡すというのは、双方にメリットが有るのです。
だから、遠慮せず渡しましょう。
字が汚いからとか、上手くかけないとか、まとめられないからとか、気にする必要は無いと思います。
聞く側は、口頭だけで聞くより理解しやすい場合が、圧倒的に多いのです。
そして、相談を受ける側もそれを見ながら話を進めやすいのです。

紙に書いて渡す

ちょっとは安心しましたか?

そしてここからは相手(相談を受けてくれる人)の人柄や能力にも因るのですが、紙に書いて有った方が相談を受ける側も質問がしやすいですし、この人(相談に来た人)は何を伝えたいのだろう?何を聞きたいのだろう?と言う事を想像・予想も、しやすいのです。

(〇〇〇と言っているが、本当は△△△の部分を解決して欲しいんだろうな?などです。)

私の場合では箇条書きにする前の、チラシの裏のなぐり書きを見せて欲しい位です。その方がより理解しやすいので。

何を聞けば良いのだろう?という場合も同様です。

口頭で、「土地の境界の件で揉めています。どうすれば良いか分からないんです。なんでこんな揉め事になっているか理解できないんです。」と相談された側は、通常であればその事に付いての解決策をアドバイスしようとします。

例えば、境界確定の手続きを…とか、越境物の取り扱いを…とかです。また弁護士さんであれば、権利や義務なども説明してくれる事でしょう。
(相談する時、こういう風に聞きがちですよね。)

しかし、本人がぼんやりとしか分かっていないのですから、いきなりそう言われても、なかなか理解できませんし納得もしにくいままです。

本人もぼんやりとしか分かっていない状態の所に専門家などからアドバイスされる訳ですから、

分からない事×分からない事=よく分からない事

に、頭の中がなってしまい、それ以上聞く事も言う事も出来なくなる。
そんな風では、ないですか?

つまり、相談⇒結論 になりがちなのですね。

悩みや問題点を箇条書き

しかし紙に、
・土地の境界で揉めています。
・どうすれば良いか分からないんです。
・なんでこんな揉め事になっているか理解できないんです。
と、書いて有るのを見せられた方は、どうでしょう?

普通は、それぞれについて説明やアドバイス、ヒアリングをしようとしませんか?

・土地の境界で揉めています。
⇒どんなふうにですか?

・どうすれば良いか分からないんです。
⇒この場合、〇〇や☓☓の解決方法が有ります。

・なんでこんな揉め事になっているか理解できないんです。
⇒境界で揉める場合、あなたには…で、お隣さんには…といった権利や義務、やっていい事・ダメな事が有って…

という様に。

この方が、ぼんやりとしていた悩みを少しでは有りますがはっきりとさせつつ、分かり易くもないでしょうか?

相談⇒説明+結論
の方が、全て解決!と言う訳では有りませんが、ずっと良くないですか?

ただしこの方法、相談を受けてくれる相手の人柄や性格、器量などによって上手く行かない場合も有りますが…。


そこで、今度は誰かの手を借りて解決を図る事を考えてみると、どうでしょう?

実は…、誰に相談すれば?の記事でも書いた事と、同じなんです。

どう相談したら良いのだろう?、なにを聞けば良いか分からない?、と言う事に付いて、相談にのってくれる人をさがすのです。

それが出来ない・分からないから悩んでいるんだ…って声が聞こえてきそうです…。

残念な事は探すしか無いのです、探してもらうしか無いのです。

でも、良い知らせとしては、探してくれるのを待ってくれている人もいます。

何でも相談してくれて大丈夫、出来る事は可能な範囲なら何でもO.Kという、崇高な考えの方もいらっしゃいます。
ですので、少しだけご安心を。

専門家のタイプ

あと、ここだけの話ですが…、

弁護士さんや税理士さん、ファイナンシャルプランナーに不動産屋さんなどなど、ここだけの話、世の中に増えすぎているんです、食べていけない専門家が増えているのです…。(私もその一人…?)

モチロン忙しくて手一杯という方もいらっしゃいますが、一方でなかなか仕事が来ない…という専門家も 実は多いのです。

今まで通り、自分の専門分野の”その”仕事しかしない…、などと言う事では、食べていけないという事に気づいてきている人が増えているのです。

その為に、仕事を受ける前の段階として、相談を受ける方が良いと思う人が増えているのです。(つまり、営業活動の一環として。)

まだまだ少数派・増えてきている最中、かもしれませんが、何かの相談を受ける・解決策を提供するという側も、最近の状況の変化で変わってきているのです。
勿論、自分の分野の”その”仕事しかしないなんていう人もいる一方、そのかたの為に・お客さんの為に出来る事はしてあげたい、と思っている人もいます。
そう言った信条や考えで仕事をしている人も、またいるのです。

何が言いたいかと言えば、相談してくれる事を待っている人もいるという事なんですね。

ココだけの話…しかし厄介なのは、専門家と言うのは、暇ですとか仕事が有りませんとか、ほとんど言いません。

なぜなら、自分の能力を無いように言っているのと同じ、と思っている専門家も多いからです。

まして、ご家庭を一軒一軒まわって、何か相談ありませんか?なんて絶対にしませんよね。

更に、資格や職種によっては、営業的な事をしにくい・出来ない場合も有ります。
基本的に待つしかない、という事です。

そうなんです、相談を待ってくれている人もいるのですが、相談をしたいあなたを探しには来てくれない事が殆どなんです。

また、仕事で手一杯という、人気の人に相談したい・その方が安心、という気持ちの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、どう相談したら良いか?や、何を聞けば良いか?という事に限るなら、その分野の高度な専門知識や難しい事を知っている必要は、あまり有りませんよね?
どちらかと言えば、ゆっくり落ち着いて、世間話の様な雰囲気で気軽に話せるほうが良くないですか?

そして、よく勘違い・よく思いがちなのが、何かを相談するとその人に全てを任せないといけないという先入観です。

正式に、誰かに任せる・相談する前に、まず自分の知りたい事や分からない事だけを聞いても・相談しても問題無いと思いませんか?
とりあえず相談だけ…と、割り切ってしまえば、気軽じゃないでしょうか?
相談料ぐらいは払わないといけないでしょうが、それだけでも仕事になって喜ぶ(?)・足しになる人もいるのです。

ましてやほとんどの場合、相談を受けた側もはっきり言われるまで心の中では、相談だけなのか?解決も依頼するのか?どっちなんだろう?となっている事が多いものなんです。
(つまり、相談=解決も依頼する、とは考えていない事が多いのです。)

例えば弁護士さんや税理士さんで言えば、相談を受けると言う事と、訴訟をすると言う事や税務申告をすると言う事は、別物なんです。

ここだけのはなしですが…それに…、私の経験上周りの専門家も、何か相談を受けてそれをそのまま任せてもらっている・仕事に結びついている確率といえば、一般の人が思っているよりかなり低いものです。
平均すると2~3割も無いと思います。(一部の人気の方は別ですよ)
相談を受けて、そのまま仕事になるのは…、少ないのです。
相談だけで終わるケースの方が、圧倒的に多いのです。

という事は…、実は、きっちり相談すべき内容を把握した上で相談して、そのまま納得できてその方に解決を任せる、なんて人よりも結果として、いろいろな人に相談して回っているという人が多いのです。相談だけでお終いの人も多いのです。

つまり、実はあなたと同じ方が沢山いるのです。
言わないだけで…。
なので、安心して(?)探してみても、良いのではないでしょうか?

 

ましてや…、相談したからと言って、先方が必ず解決の依頼を受けてくれるとも限らない訳ですので…。

 


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